褒めて伸ばす2017年01月25日

集団塾が競わせて伸ばすなら、個別指導塾は褒めて伸ばすのが基本とされています。テストの点が上がった、評点が上がった、宿題をやってきたなど良い点を褒めて伸ばすよう心がけています。しかし、宿題をやってこなかったりカンニングをする生徒にはどう褒めればよいのでしょうか。以下は少し前に実際にあった話です。

A君はベストワンで数学と英語を受講している中2生です。先生は正義感の強い男性講師S君と暖かく生徒を指導する女性講師Tさんです。ある日、S講師の声が教室中に響き渡り、A君を連れて別の教室に入ってゆきました。どうやらA君が宿題の答えを解答を見て丸写してきたことにS講師が持ち前の正義感からA君を厳しく叱ったようです。A君はうなだれて弁解はしませんでした。S講師の説明に私は納得するも、何か引っかかるものがありました。

そこで、もう一人の担任であるT講師にこのことを聞いてみると、やはり宿題の答えを丸写しして持ってきたことがあるとのこと。でも、T講師の対応は予想外の目からうろこの納得できるものでした。T講師は根気強くA君を指導していましたが、宿題はなかなかできない状態が続いていました。あるときA君は珍しく宿題を全部やってきました。T講師は一瞬喜びましたが、すぐに解答を写していることに気づきました。それでも、宿題をやってきてくれたことをまず褒めました。そして最後に「でも、少しでもいいから次は自分の力で解いてくれた方が先生はもっと嬉しいのよ」と付け加えたそうです。T講師はこう説明してくれました、「A君は本当は宿題をやってきたかったけれど今の実力では容易ではなかったのでしょう。でも私になんとか宿題を見せたくて答えを写してしまったのでしょう。そんなA君の気持ちを思えば叱責する気にはなりませんでした」

S講師とT講師のどちらが正しいのかを論じる気はありません。どちらも正しいのかもしれません。また、相手の生徒の性格や講師との信頼関係にもよるでしょう。ただ、この話を思い出すたびに、S講師の生徒に対する理解や優しさを思わずにはいられません。

その後のA君についてはまたの機会にお伝えしたいと思います。

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